インプレッション

ULTRATOUR 95CV インプレッション現役テニスコーチが オススメしない5つの理由

最近のラケットで超売れているラケットがあります。

それは、錦織圭選手が使用している、ULTRATOURシリーズです。

爆発的に売れています。メーカーに在庫がないほどです。

そんなラケットですが、私はこのラケットをオススメしません。

それは、このラケットがラケット史上№1に近いくらい使いづらいからです。

使いやすいと思っている人には申し訳ございません。その理由を一つずつ解説していきます。

1、ULTRATOUR 95CV スクール生にお勧めしない5つの理由

そもそもこのラケットは『錦織圭選手が世界で戦うためのラケット』なんです。

だから世界のプロ選手でも、このラケットを使っているのは錦織圭選手だけなんです!2019/2/26現在

錦織圭選手と言えば、天才的なショットメーカーです。

世界のプロ選手でこのラケットを使えるのは錦織圭選手だけの超難しいラケットなんです。

テニスのショットは大きく分けて5つあります。

それはストローク、ボレー、サーブ、スマッシュ、リターン。

現役テニスコーチとしてスクール生の皆様にはこの5つのショットをオールラウンドに上達しテニスを楽しんでほしいです。

ULTRATOUR 95CVは、ショットが限定で偏りが出てしまう難易度が高すぎるラケットです。

詳細を解説します。

1,1 重量:309g 重たい

300g超えのラケット。

テニスラケットは、5gで大きな差を感じます。

「えっ?たった5gでそんなオーバーな」

本当なんです。

振ってみて、打球してみて必ず違いに気づくはずです。

チャンスボールを打ち込むなら、ラケットが重たい方が力強いボールが打てます。

でもラリー中に相手の速いボールを素早く準備しなければいけない時、重たいラケットはどうでしょうか?

1,2 フェイスサイズ:95inch 面小っちゃい

ラケット面のサイズは98〜100が一般的です。

面が小さいことの良いところは、振り抜きの良さ。

悪いところは真ん中が狭いから、当たりそこないが多くなる。

現在男子の世界トップ3は全員フェイスサイズが100inchです。

95inchはプロ選手の中でも数少ないです。。

1,3 バランスポイント:32.5mm トップヘビー

軽いラケットは頭が重たい。

重たいラケットは根元が重たい。

そうすることでボールの飛びやパワーを出せるようになっています。

ですが、ULTRATOUR95CVは重たいのに頭が重たいです。

これはなぜこうなっているのか?

錦織選手が幼少の頃より使用していたラケットがウイルソンのハンマーシリーズ。

これがラケットの重量に対して、頭が重たいラケットシリーズ。

小さい時から慣れ親しんでいたラケットで、身体が大きくなるにつれて重量が重くしていきますが、

どうにも根元が重たいラケットは使いづらかったのです。

1,4 ラケット全長:27.25inch ちょっと長い

長いラケットか短いラケットか。

長いラケットの方がパワーが出ますが操作しづらい。

一般的なラケット全長は27inch。

0.25inchは0.635cm。

「えっ、たったそれだけ?」

そう、それだけなんです。

今は短い大人用のラケットも販売しているくらいで、長さはとても操作に関わってきます。

1,5 フレーム厚:22mm

フレームの厚さは、ボールを飛ばす力に関わってきます。

厚いほうがボールを飛ばしやすいです。

22mmはテニスラケットでは薄い部類に入ります。

ちなみに私が現在使用しているラケットは、フレーム厚最大26mmです。

2、ULTRATOUR 95CVをこういう人ならお勧めしたい

ずばり!

・ベースライン後方でストロークで打ち込むタイプのシングルスプレーヤー

前述した通り色々と操作が難しいラケットです。

操作が比較的難しくないベースライン後方でストロークを打つ人には良いでしょう。

ラケットの良いところとしては、ものすごいパワーが秘めています。

重量もあり、ラケットのトップが重たいので、遠心力がより加わりやすいです。

ストロークでガンガン攻めるタイプの方は試し打ちする価値ありです。

3、ULTRATOUR 95CVとBURN 95CVって何が違うの?インプレッション

ULTRATOUR 95CVを打ってみました。

『なんてマイルドな打球感だ!』

前作BURN95CVと全く同じスペックです。

何が変わったかといえば、グロメットと言われるストリングを通す部品です。

そのグロメットがCRUSHZONEと言われるグロメットに変更したのです。

以下、ウイルソン公式HPの引用です。

ULTRAシリーズのフレーム6時部のグロメットに搭載されているクラッシュゾーンは、打球時にツブれ、1,000分の3-5秒とも言われる打球時間を、最長化させることができます。またこのクラッシュゾーンはストリングのたわみを増大させることができ、フェイスサイズを2.7%拡大させることが実験結果で判明しました。95平方インチで言えば、98平方インチ相当(x2.7%で97.56平方インチ)、100平方インチなら103インチ平方(x2.7%で102.7平方インチ)となります。よってフェイスサイズを変えずに、スイートエリアを大きくすることで、98平方インチと同等のパワーを発揮します。

前作のBURNとは打球感が全く異なります。

上記の記載通り、ULTRAというラケットのシリーズにクラッシュゾーンは使われています。

4、錦織圭ファンならULTRATOUR 95CVではなく、ULTRATOUR 100CVにしてもらいたい

私はテニスコーチとしてULTRATOUR 95CVはお勧めしません。

それなら操作もしやすい黄金スペック(100inch、300g)のラケットを基準に考えてもらいたいです。

でも錦織圭選手のファンの方や、デザインが気に入って購入を希望する人も多々いらっしゃいます。

そんな方にはULTRATOUR 100CVを使ってもらいたいです。

 

スペックは、重さ293g、フェイスサイズ100inch、バランス33mmと、操作性や使いやすさは一般的です。

好きな選手が使っている、デザインがカッコいいと思い、ラケットを購入される方もいらっしゃいます。

ですが、テニスを楽しむためにはラリーが繋がることや、試合でポイントを取ること必要です。

だからこそ、ULTRATOUR 95CVはお勧めしないです。

5、ULTRATOUR 95CVをお勧めしないまとめ

・重量が重く、フェイスサイズが小さく、バランスが頭よりで、全長が長くて、フレームが薄め

・だから操作がしづらく、全ショットオールラウンドに楽しむのは難しい

・もしULTRATOUR 95CVを使いたいなら、ベースライン後方でストロークを主体で戦う

・ラケットは黄金スペックを基準に考える

・錦織ファンならULTRATOUR 100CVを使ってもらいたい。

ぜひ楽しんでテニスをしていきましょう!

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