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NHKEテレ 『松岡修造の人生はテニスだ!withはりきり体育ノ介』を観た現役テニスコーチが参考にした3つの指導

2019年9月16日(月)午前9:30~10:00で、

NHKEテレ 『松岡修造の人生はテニスだ!withはりきり体育ノ介』という番組が放送されました。

テニスというキーワードに思わず録画し、観てみましたが、とても面白く勉強になる内容でした。

一番は『上手くいかない子どもに積極的に取り組んでもらうためには、成功体験と一緒に頑張った仲間の存在』です。

それはどういうことか。解説していきます。

1、NHK Eテレ 『松岡修造の人生はテニスだ!withはりきり体育ノ介』の内容は?

松岡修造さんがコーチとなり、小学3年~5年生の男女4人にテニスを教えていく番組です。

簡単なストーリーは、

①子どもたちのテニスレベルチェック

上手く打てない、ラリーが続かない、空振りしてしまうなど、未経験であることもそうですが、運動自体が苦手なように見えました。

②松岡修造さんの熱血面白指導

4つの項目に分けて指導していきます。そしてその指導が人生において大切なことと絡めています。

その一つに『ぐねぐね』という項目があります。

身体が固くなってしまうと、身体の回転が上手く使えません。

そこで、新聞紙を身体につけて、新聞紙を落とさないように走る練習をします。

それが人生とどう関係があるのか。

それは、『人生の中で色んな経験して、柔軟な発想が取り入れられるか』ということ。

『身体が固くなると心も硬くなりやすい』だからこそ、『身体を柔軟にして心も柔軟にしていくこと』が大切だと、指導していました。

このように人生の中で、大切なことをテニスに絡めて教えてくれます。

他の3つの指導では、

『ボールを前で捉えることで、人生も前向きに』

『ラケットやボールと仲良くすることで』

『自分の名前を呼びながらスイング、リズムよく生きる』

③練習の成果をラリーで実践

番組の最後では、松岡修造さんとはりきり体育ノ介含めた5人で、ラリーを10回成功させることに調整します。

子どもたちは1回打つことに交代し、それを2周出来れば10回成功。

松岡修造さんの指導とはいえ、簡単に成功できず、ある一人の子どもがずっと失敗してしまいます。

子どもたちは全員で成功できるようにどうしていくのか。

2、NHK Eテレ 『松岡修造の人生はテニスだ!withはりきり体育ノ介』現役テニスコーチ参考にした3つの事

コーチ歴15年の私が、子供向け番組とは言え、テニスの指導については思わず唸ってしまいました。

どのテニスコーチにも共通する悩みの解決方法が行われていました。

その悩みとは、『どうやったら上手くできない子供にテニスに積極的になれるか』ということです。

上手くいかない⇒失敗ばかりでテンション下がる⇒さらに上手くいかない⇒テニスが嫌になる。

こうやって、テニスから離れてしまった子どもは多く、その度にコーチとしても非常に残念だし、申し訳ない気持ちになります。

上手くできない子どもにどうやって松岡修造さんは教えていたのか。それは3つのポイントでした。

①仲間と一緒に目標に向かって頑張る

一番衝撃を受けたシーンでした。

最後の10回ラリーの挑戦で、ある一人の子が5回連続失敗してしまいました。

そこで、松岡修造さんはその子に、「どんな気持ちですか?」と聞くと、

その子は「申し訳ない気持ち。自分が出来ていたら成功している」と言う。

松岡修造さんは、他の3人の気持ちも聞くと口を揃えて「大丈夫」と勇気づける。

それを聞いた子は、「頑張る、達成する」と気合を入れ直します。

こうやってある一人の子どもがずーっと上手くいかないことはどのテニススクールでもあることです。

どんどん萎縮し、やる気を失ってしまいそうな場面で、一緒にやってきた仲間の意見を聞くということは、私は考えたこともありませんでした。

周りが勇気づけてくれたおかげでその子はやる気を取り戻し、やがてラリー10回を達成します。

松岡修造さんの素晴らしいコーチングがなせる指導でした。

②成功する体験をさせて、小さいことから自信をつける

①の仲間が勇気づけてくれるためにも、成功する体験が必要です。

「やれば出来る」と思わせる土台が必要です。

この番組の4つの項目でのレッスンは、どれも頑張れば達成できる内容ばかり。

テニスコーチからレッスン内容だけを見ると、『あんなの簡単すぎてレッスンで使えないよ』と思う人もいるかもしれませんが、

大切なことは、『子どもたちがテニスをやってみようと思えることに挑戦させるか』です。

どんな簡単なことでも良いから、まずは出来ることから積み重ねていくことが第一歩。

そしてそれを仲間と共有しているから、さらに頑張れるのだと思います。

③失敗したときになぜ失敗したか、どうやったら成功できるかを教える

②の成功体験を導くことを書きましたが、

松岡修造さんが行った4つの項目の1つで、

『2人で3つ風船を1分間地面に落とさないようにする』というレッスンがありました。

なかなかうまくできない子どもたち。

そこで松岡修造さんは子どもたちにどうやったら上手くできるか自分たちで話し合ってみようと提案します。

すると子供たちは自分たちで話し合い、成功する策を考え、実行します。

そして見事、達成します。

コーチが教えることも大切ですが、出来ることは自分たちで考えさせる。

意見交換することで、相手の考えを知ることが出来、自分の考えを話す場を作ります。

それで目標が達成できると、仲間と力を合わせて達成したことによる満足感も向上します。

3、NHK Eテレ 『松岡修造の人生はテニスだ!withはりきり体育ノ介』まとめ

・松岡修造さんによるテニス初めての子どもたちが楽しく学べるレッスン

・現役テニスコーチも唸った3つの指導

『仲間と一緒に頑張る』『成功体験』『成功する理論を考えさせる』

実際のテニススクールでもすぐに導入できることばかりです。

とても素晴らしい内容でした。ぜひテニスコーチの方、テニスを始めてみようと思う親御さんは参考にしてください。