試合解説

ABNアムロ世界テニス・トーナメント準決勝錦織圭vs S・ワウリンカ

順当に勝ち上がってきた錦織選手。

準決勝の対戦相手は、グランドスラム3勝しているS・ワウリンカ選手です。

怪我に苦しみ、世界ランキングは68位(2/17現在)。

対戦成績は4勝5敗で、錦織選手が負け越しています。

今回の対戦の結果は、

2-6、6-4、4-6

で、錦織選手の敗退でした。

以下に解説していきますが、死闘と呼ぶのにふさわしい対戦です。

戦略面で学びになる試合でしたので、ぜひ参考にして欲しいです。

1、 1stセット 2-6

0-4

なすすべなく打ち込まれている

ネットに出ても1stボレーが甘くなって、パッシングをくらう

バックハンドを狙う展開からフォアに振ってるけど、そもそもバックハンドで優位になれない。

2、 2ndセット 6-4

1-0 ファーストゲームをブレイク

リターンをきっちり返して、ラリーで粘り強く深くコントロール出来てる

1-0 0-30

2ndサーブから、ワウリンカのバックハンドの強打を何とか深く返球し、

そのあとバックハンドでショートクロスへ展開、

崩れたワウリンカにオープンコートに打ち続けて、ミスを誘う。

このゲームを何とかキープ。

その後もブレイクに成功して、4-0錦織選手リード。

ネットに出る展開を増やすが、ことごとくパッシングに合い、ブレイクされてしまうが、

その後はキープを続けて、このセットを奪い返す。

3、 ファイナルセット 4-6

お互いキープをしていきますが、

ワウリンカは強烈なサーブを中心に

錦織選手はラリー戦の中でキープしていきますが、

お互い変化を加えています。

ワウリンカ選手はスライスを多用し、テンポの変化を

錦織選手は引き続きネットに出る展開を増やしています。

お互いキープのゲームが続く、3-4錦織選手のサーブ。

ワウリンカ選手がまた変化を加えます。

ポジションを大きく後ろに取り、そこから強打していくプレーを混ぜていきます。

逆に錦織選手は、ポジションを大きく変えないようにして、攻撃の手を緩めずポイントを重ね、無事にキープします。

4-4 ワウリンカ選手サービスゲーム

ここで、ポジションを後ろに立ったり、前に立ったりポイント毎で変化することで、錦織選手のタイミングを奪っていきます。

結果、後ろにいるときは守備的なプレーで強打で守り抜き、

前に立つときは、早いテンポのダウンザラインでキープに成功します。

4-5 錦織選手のサービスゲーム。

ここでも前に後ろにポジションを変え、錦織選手のタイミングを奪っていき、最後はリターンエースでゲームセット。

4、試合を通して変化を加え、最後に勝ちをもぎ取るワウリンカ選手の戦略にあっぱれ

試合を通して思うことは、お互いの戦略がとても精度が高かったことです。

錦織選手はネットに出る展開で、ワウリンカ選手のタイミングを奪う。

またスピンの効いた跳ね上がるボールと、速いスピード、早いテンポで打球することで攻撃していきます。

逆にワウリンカ選手は、サーブで崩し、強打していく展開をベースに進めいく中で2ndセットを取られてしまいます。

そこでファイナルセットは、スライスを使いテンポを緩める。また、ポジションを大きく後ろに取り打球スピードを上げて、錦織選手のタイミングを奪っていきます。

最後は混ぜ合わせ、錦織選手のタイミングを狂わして、ブレイクに成功します。

その証拠に、錦織選手がボールを追えずにエースになるシーンが増えていきました。

お互いの強みを活かし、ラリーで一進一退が続いたからこその戦略で、とても見応えのある試合でした。

私も参考になるので、今度練習していきます。