試合解説

ドバイ・デューティー・フリーテニス選手権 1回戦 錦織圭vsブノワ・ペール

男子テニスツアー、ドバイ・デューティフリー・テニス選手権シングルス1回戦が行われました。

第1シードの錦織圭選手はブノワ・ペール選手と対戦し、見事ストレートで勝利。

この試合ブレイクもされない完璧な結果でしたが、私は観ていて今後の戦いに不安が募りました。

以下、試合内容とともに解説していきます。

1、ドバイ・デューティフリー・テニス選手権 1回戦 錦織圭vsブノワ・ペール 試合結果

第1セット 6-4

ゲームカウント1-1で、早々に錦織選手がブレイクに成功します。

そして最大の山場はそのブレイク直後のゲームカウント2-1 錦織選手のサービスゲーム。

ペール選手の深いボールに苦しみ、デュースを繰り返しながらも、ギリギリでポイントを取る錦織選手。

なんとこのゲームだけで、5回もブレイクポイントを握られます。

その都度跳ね返し、辛くもキープします。

その後はお互いキープを続けて、6-4でこのセット先取します。

第2セット 6-3

このセットも、ゲームカウント2-2ブレイクに成功。

その後はブレイクポイントを握られることなく、盤石な試合運びでポイントを重ねていきます。

ゲームカウント5-3 ペール選手のサーブを再びブレイクしてゲームセットです。

2、錦織圭選手vsブノワ・ペール選手、それまでの対戦成績

5勝2敗 錦織選手がリード。

直近の対戦は2018年楽天ジャパンオープンの2回戦、錦織選手が勝利しています。

しかしこの相手は錦織ファンにとっては苦い思い出があります。

それは2015年の全米オープン。

その前年準優勝している錦織選手の1回戦の対戦相手がブノワ・ペール選手。

なんとなんと、フルセットの末錦織圭選手が破れてしまいました。

そして同年楽天ジャパンオープン、準決勝。

再びペール選手と対戦。

リベンジに燃える錦織選手だが、またもフルセットで敗れてしまいます。

その際、ペール選手の外見に注目が集まりました。

ひげもじゃの顔、古いラケットとボロボロのテニスシューズ、そしてトリッキーなプレー。

錦織ファンにとっては、今回もソワソワしながら応援していたに違いありません。

3、ドバイ・デューティフリー・テニス選手権 1回戦 錦織圭vsブノワ・ペール 試合内容はどうか?

ストレートでの勝利、しかも一度もブレイクされることなく完璧な結果。

ですが、その内容はあまり良いものとは言えません。

ペール選手の戦略がハマっていたように見えます。

ペール選手の戦略

ベースラインのはるか後方でプレーし、守備を基本としていました。

錦織選手の深い鋭いボールも、ベースライン後方にいるペール選手はなんとか追いつき、深く返球していく。

その戦略は、先日ABNアムロ世界テニス・トーナメント準決勝で対戦したS・ワウリンカ選手と似ています。

ベースライン後方でラリーをしっかりコントロールして、相手のボールが浅くなったら一気にベースラインの内側に立って、攻撃に転ずる。

そのショットの精度が高く、錦織選手を追い込んでいきました。

ブレイクは出来ませんでしたが、錦織選手のサービスゲームのほとんどで、30-30まで持っていってました。

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錦織選手の戦略

そんなペール選手の戦略にポイントを奪われるシーンも多々ありましたが、第1シードの貫禄もあり、淡々と自分のプレーに集中していました。

ペール選手がコート後方に立っていたので、オープンコートに深く打つショットとショートクロスに短く打ち、ペール選手を走らせていました。

時折逆を突くショットでエースを奪う。

ペール選手の守りに対して、まったく焦りが見えませんでした。

第1セットを先取した錦織選手に対して、第2セットのペール選手は焦ってかドロップショットを多用しますが、錦織選手に見事処理されてしまいます。

『自分の方が上だ!』と見せつけるようなプレーに思えました。

4、不安材料、長期戦はトーナメント後半の体力に響いてくる

そうです。この試合はあくまでも1回戦です。

おそらく錦織選手の攻撃に対して、守備を固めるプレーヤーは増えていきます。

素早いフットワークになんとか深く打つボール。

錦織選手の地力に勝つ選手はそんなに多くありませんが、トーナメント後半の勝ち上がった選手と対戦する際に体力を削られてしまいます。

それを思い出すのは、記憶に新しい全豪オープンテニス2019。

フルセットの勝利した試合がなんと3回。

その結果、準々決勝で第1シードのN・ジョコビッチ選手に第2セット途中で棄権しました。

トップ選手と対戦する際には錦織選手の100%を注いでも勝てるかわからないぐらい強敵。

N・ジョコビッチ選手、R・ナダル選手、S・ワウリンカ選手、J・M・デルポトロ選手、そしてR・フェデラー選手。

グランドスラム優勝経験があるこの5人の選手になかなか錦織選手は勝てません。

今季さらなる飛躍を期待し、トーナメントをどうやって勝ち上がっていくか。

体力を消耗せずに勝ち上がれるかもカギになってくるでしょう。

5、ドバイ・デューティフリー・テニス選手権 2回戦 錦織圭は誰と対戦する?

2回戦の対戦相手は、世界ランキング77位のH・ホルカシュ選手です。

勝つことはもちろんですが、内容も気になる2回戦です。

対戦の日程は現在未定です。

楽しみです。