試合解説

デルレイビーチ・オープン1回戦 西岡良仁vsJ・M・デルポトロ

男子テニスツアー、デルレイビーチ・オープンが開催されています。

デルレイビーチ・オープンといえば、錦織圭選手が初めてツアー優勝を果たした大会でもあるので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

シングルス1回戦で、第1シードのJ・M・デルポトロ選手と、日本の西岡良仁選手が対戦しました。今回はこの試合の解説をしていきます。

1、J・M・デルポトロ選手ってどんな選手?

2019/2/20現在 世界ランキング4位、アルゼンチン出身、30歳の選手です。

グランドスラムは1度優勝の経験があり、錦織選手と過去幾度となく激戦を繰り広げています。

昨年10月膝の故障をしてしまい、それからリハビリの日々の末、今大会が復帰戦となります。

特徴は198cmから繰り出す強力なサーブと、力強いフォアハンドストロークです。

2、西岡良仁選手ってどんな選手?

世界ランキング72位、23歳の選手です。

昨年日本人5人目となるツアー優勝を果たし、着々と力をつけている選手です。

先日は男子テニス国別対抗戦に出場し、見事シングルスで勝利を上げました。

特徴は左利きから繰り出される、力強いトップスピンとフットワークの良さです。

3、デルレイビーチ・オープン 1回戦 西岡良仁vsJ・M・デルポトロ 第1セット 3-6

圧倒的な実力差がありますが、何が起こるか分からないのもテニスの良いところです。

西岡選手の粘り強くラリーに持ち込んで、デルポトロ選手の復帰戦で不安定な部分を攻めればいけるかも思いながら、観てました。

第1セット 3-6 デルポトロ選手

お互いキープが続いていき、ゲームカウント3-4の西岡選手のサービスゲーム。

ついにブレイクされてしまいます。

それまでは、良いラリー戦でキープを続けていました。

西岡選手がダウンザラインを有効に使い、デルポトロ選手を追い込んでいきます。

西岡選手のフォアハンドが特に良い。どっちに打つか分からないフォームが個人的には好みです。

ブレイクポイントを握ることもありました。

ですが、ここぞというときにきちっとポイントを取るデルポトロ選手です。

キープを続けていた西岡選手ですが、ここでデルポトロ選手が仕掛けます。

いままでトップスピン系でしっかりラリーをしていたのですが、このゲームであえてバックハンドのスライスを使い、あえてペースダウンを図ります。

西岡選手は低い打点で打たされてしまい、少しでも浅くなったボールを、デルポトロ選手はバックハンドを踏み込んで打つクロスで攻撃していきます。

このパターンで2ポイント連取し、ブレイクポイントに。

甘くなった2ndサーブをデルポトロ選手はバックハンドへクロスへ強打。

フォアハンドを逆クロスに2連発で叩き込み、西岡選手が返せなくなってブレイクに成功。

均衡が破れた瞬間でした。

しかし、まだセットは終わりません。

ゲームカウント3-5 デルポトロ選手サーブ

今度は、30-40の西岡選手がブレイクポイントを握ります。

このポイントのラリー回数はなんと25回!

男子のトッププロでラリーが10回以上続くこと自体珍しいのに、25回も。

西岡選手が攻撃し、デルポトロ選手が守る展開から一転。

ちょっと甘くなったボールをデルポトロ選手がカウンターで攻撃。

ですが、持ち前のフットワークの良さでなんとか繋いでいく西岡選手。

最後は、デルポトロ選手がフォアハンドで逆クロスにエースを取ります。

これでデュース。

まだ2本取ればブレイク出来ます。

しかし、グランドスラム優勝経験者はチャンスをくれません。

その後はサービスエース2本で、西岡選手はセットを失います。

4、デルレイビーチ・オープン1回戦 西岡良仁vsJ・M・デルポトロ 第2セット 5-7

第2セットで反撃したい西岡選手ですが、先にブレイクされてしまいます。

ゲームカウント1-2 デルポトロ選手サーブ

ここで何と西岡選手がブレイクバックに成功します。

粘り強いストロークでデルポトロ選手のサーブを返し続け、何とかラリー戦に持ち込んだ成果です。

再びキープが続き、終盤の5-5西岡選手のサーブ。

30-30まで持ち込みますが、西岡選手のボールが少しずつ浅くなっていきます。

デルポトロ選手はバックハンドをクロスに強打でポイント先行します。

30-40も再び西岡選手のボールが浅くなったところを、今度はフォアハンドを順クロスに打ち、西岡選手のバックハンドがオーバーしてしまい、ブレイクされてしまいます。

ゲームカウント5-6 デルポトロ選手リードのサービスゲーム

結局崩すことが出来ず、キープされてゲームセットです。

5、西岡良仁選手の可能性が高いことを知らしめた!

まだまだ差はありますが、この試合ブレイクに成功したこと、ブレイクポイントを握れたことは西岡選手が上位の選手とも戦えることを示しています。

課題は深いボールを打ち続けるかどうかです。

終盤ブレイクされてしまったゲームは、西岡選手のボールが浅くなり、デルポトロ選手が攻撃出来る余裕が生まれてからです。

キープ出来ているゲームは深く打てているので、それをトップレベルの選手相手に1試合続けられれば、勝つチャンスはまだまだあるはずです。

これからも応援していきます。