テニススクールに通い慣れてくると、ストロークはどんどん上達していきます。
それはショットの中で、ストローク練習の時間が圧倒的に多いからです。
そうやってストロークが上達していき、これから中級クラス、上級クラスに進級する際の関門はボレーです。
ボレーで悩んでいる方は、現役のテニスコーチの私も多くいらっしゃることを実感しています。
そこで今回の記事はボレーで悩んでいるスクール生に、スクールで教わる5つの嘘があることをお伝えいたします。
目次
Q グリップはコンチネンタルじゃなきゃいけないの?
A.別にどんなグリップでも大丈夫です。
なぜ?
特に軟式テニス経験者は厚いグリップで打たれる方も多くいらっしゃいます。
ではなぜテニススクールではグリップはコンチネンタルと教えるのか?
それはコンチネンタルが過去のテニススクールでは基本でした。
コンチネンタルグリップでボレーをする際のメリットは3つあります。
・身体に対して左右、横の距離が遠くても力が入りやすい
・面が開きやすいからボールを上に飛ばしやすい→ネットを越しやすい
・スライス回転がかけやすい
逆にデメリットは?
・初心者、初級者には力が入りにくい
・面が開きすぎるとかすれてしまってボールが飛ばない
・その結果、ボレーで点が取れない
特にグリップが薄くて、苦手な人も多くいます。
私自身、グリップはイースタングリップで持っています。
その為、フォアボレーではスライス回転を減らしフラット気味に当てる。
逆にバックボレーは面が開きやすいので、打点を後ろに引き付けて、なるべく守備のイメージを心掛けています。
グリップが厚くても打つことは出来ます。
ただグリップが厚いときのデメリットは?
・ローボレーが打ちにくくて、サイドスピンがかかり逆クロス方向に流れやすい
・バックボレーが上に飛びやすい(面が開きやすくなるため)
このデメリットを理解しているなら、グリップが厚くても返球することは出来ます。
Q スイングはしないの?当てるだけ?
A. スイングします。
なぜ?
当てるだけで勢いを出すことは難しいです。
硬式テニスのボールは硬いのでラケットの真ん中に当たれば良く飛びます。
ですが、勢いを出すことは当てるだけでは限界があります。
ではどうやって勢いを出すか?
スイングします。
ただスイングにもいくつか方法があります。
・手首の形は変えないこと
手首を甲・平のほうに折ってしまう(猫パンチみたいな)と、
スピードは出るが安定は失われてしまいます。
一般的にテニスコーチがスイングしないようにというのは、手首を動かさないようにということです。
・スイングの仕方は、脇を空けてセットし、そこから内側に引っ張り込んでくる
手首を動かさないで、腕を動かします。スイングの方向は外側から内側に。
そうすると、肘から肩が動くので前に振らなくても勢いが出ます。
・ドライブボレーもあり
プロの試合を観ると、前のポジションでゆっくり浮いたボールを、ドライブボレーで攻撃するシーンは良くあります。
ゆっくりだったら大きくスイングしても間に合いますが、速いとどうでしょうか。
ポーチボレーみたいに相手ストロークの速いボールをボレーで決めるには、
とーーーっても小さなドライブボレーみたいに打ちます。
面が開きすぎてセットしまうと、相手のボールの速さにラケットが吹っ飛ばされてしまいます。
だから、ドライブボレーもありです。
Q、フットワーク足を踏み込んで打たなくてはいけないの?
A、踏み込まないで打ち方もあります。
なぜ?
特に相手のボールが速くなってきたら、踏み込んだゆえに振り遅れてしまうケースもあります。
オープンスタンスのように外の足を出して打点を引きつけて、ラケットの真ん中に当てれば十分勢いも出ます。
状況に応じて判断することが理想です。
Q、そのラケット、何を基準に選んだの?ボレーが良くて選んだ?
A、重たいラケットは操作しづらいからボレーに向かない
なぜ?
ラケットの重量が重たいと、相手の強いボールに打ち負けなかったり、ボールの飛びを抑えやすいです。
ですが、その分操作しづらい為、ラケットコントロールが求められます。
ボレーはネットの近くで打球することが多く、
相手の打球から自分の打球まで時間がないです。
その為、反応が遅れてしまうと、もうコントロールが効かなくなってしまいます。
私自身、280gのラケットから300gのラケットに変えて操作に苦しんでいます。
ラケットを変えた理由は後日語るとして、ボレー操作まで考えてラケットを選べると良いでしょう。
ラケット選びはこちらの記事を参考に。


Q、ボレーに握る力はどれくらい?当たる瞬間に力を入れる?
A、ずっと力を入れっぱなしの状態にしましょう。
なぜ?
前述した通り、ボレーはネットの近くで使うショット。
素早い反応が必要なので、力を入れたり抜いたりする暇がありません。
だから力を入れっぱなしにして、面を安定させることが必要です。
テニスコーチが5つの嘘を言った理由を考えてみる
なぜそんな嘘を言っているのか。
その理由もいくつかあります。
・それが本当だと思っている。
これが一番タチが悪いです。勉強していないベテランのコーチにありがちです。
自分のプレーよりも、昭和の頃からの指導をしていけば良いと思っていたら、上達したいならすぐにそのコーチから離れることをお勧めします。
・なかなか変わらない人がいるから、極端なことを言って矯正しようとしている。
特にフットワークです。
後ろ足でも打球は出来ますが、あくまでも相手の打球が速いボールの時です。
緩いボールの時に後ろ足だけで打球すると、待てなくて身体のバランスが崩れてしまいます。
だから、「〇〇さんはボレーで踏み込んで打ちましょう」と言っているかもしれません。
そんなコーチなら、他のスクール生にどのように指導しているか聞いてみましょう。
「○○さんはボレーで全て踏み込んで打っているので、速いボールは後ろ足だけ動かして打ってみましょう」
そんな風に言っているなら、個別対応している証拠です。
・限定的な場面で指導している
例えば、当たる瞬間に力を入れること。
これは相手のボールがゆっくりで余裕があるときにはいいかもしれません。
確かに当たる瞬間に力を入れると、ラケットの先端が走りやすくスピードが出やすくなります。
決めるボレー・強く打つボレーの練習をしているときは良いと思います。
テニスコーチがこっそり教える、スクールで教わるボレーは5つの嘘まとめ
・コンチネンタルグリップじゃなければいけない
・ボレーは当てるだけ
・全ての足を踏み込む
・重たいラケットを使う
・当たる瞬間に力を入れる
その理由は様々あるかもしれないが、背景を想像したほうが良い。
皆様も嘘に騙されないようにお気を付けください。